私は昔ダメ人間でした。 何をやっても失敗してしまう、ついてない女でした。 特別、可愛い訳でもないし特別かしこい訳でもない。 それに比べ、私の双子の妹の百合子は、顔も可愛いし、成績優秀で誰もが憧れる完璧な女の子でした。 なんで双子なのにこんなに差があるのだろうか。 私は、毎日そんなことばかり考えてました。 母にも、「百合子は何でもできるのにアンタは何も取り柄がないんだね。あんは何のために生きてるの?」 て言われました。 私はひどく傷つきました。私だって生まれてきたくて生まれたんじゃない。私は、自分が生まれた事に無性に腹が立った そうだ。私は死ねばいいんだ。この時、そう思った。私が死んだら邪魔者がいなくなって皆、喜ぶはずだ。家族のために私は死ぬことを決意した。 そして、マンションから飛び降りようとした瞬間、 「お姉ちゃん待って!!!」 後ろを振り向いた瞬間、私は言葉を失った。 なんとそこには、百合子の姿があった。 百合子「お姉ちゃん何やってんの?やめてよ」 私は今までの辛かった事を全部、百合子に話した。 かっこつかないけど、せめて死ぬ前に百合子には知ってほしかったからだ。 すべてを話した時、百合子は泣いて謝った。 何度も何度も「ごめんね」と。 私は「悪いのは私だから。私が死んでも誰も困らないでしょ」 私は泣きながら言った。 百合子「じゃあ、私が死ぬよ。お姉ちゃんを苦しめたのは私だから。お姉ちゃんは私の分まで精一杯、生きてね」 そして百合子はマンションから飛び降りた。 私は止める事ができなかった。 恐かった。本当は私が死なないといけないのに。 その後、救急車に運ばれた百合子は意識が戻らないまま、今に至る。 ごめんね、百合子。私のせいで、こんな姿になってしまって。 でも私、決めたよ。百合子の分まで精一杯生きる。 私は寝たきりの百合子の手を、そっと握った。
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