「アホ!勇磨!スピード落とせ!!!!」 …次の瞬間。物凄い音の後に二人を載せたバイクが転倒した。 病院に運ばれたとき勇磨はもぅアカンかった。 有佐の方は意識不明 …重傷やった。 集中治療室の前。 有佐の母親はハンカチを口にあてて泣いていた。妹は涙がたまった瞳でじっと集中治療室の明かりを見つめていた。 胸がギシギシと締め付けられてる感じがした。
ふっと顔を上げると目の前には有佐の親父さんが立っとった。親父さんはいきなり俺の胸倉を掴み「おぃ。お前が有佐の彼氏か?」と問い掛けた。
俺はハッとした…『俺は有佐のなんなんやろ』
‥俺は首を横に振り「ちゃいます。僕はただの…友達です。」とそれだけ言うと親父さんはそのまま崩れ落ちて泣いた。 目を閉じればこんな辛いコトだって嘘になるのに目を開けた現実は嘘だと言ってはくれんのや。
時計は零時を回った… 有佐は17歳になった…
集中治療室の明かりがさっきよりかすれて見えて…その時はじめて自分が泣いてるのに気がついた…
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