私のおばあちゃんは今年で92歳です。 癌が臓器を蝕んでいて、もう長くは生きられません。 92歳も生きてくれたので、もう充分だと思っています。
私のおばあちゃんは20代で結婚をし、子供を3人産みました。 しかし、長男は産まれてすぐに産声を上げることなく亡くなり、 長女は18歳で盲腸で亡くなり、 次男だけが(子供の中で)生きています。(その次男が私の父)
おばあちゃんの旦那さんは、第二次世界大戦で戦死しました。 30歳から高校の事務員として働き、60歳で定年を迎え、 姑の介護に明け暮れながら生きていました。
子供が次男しかいなかったので、次男を大変甘やかして育ててしまい、 次男は手のつけられないほどの人間になってしまいました。 ギャンブルでおばあちゃんの退職金を使い果たし(3000千万) お酒を飲んでは酔って暴れる。 奥さんにも逃げられ、それを不憫に思ったおばあちゃんはますます次男を甘やかしました。 次男の娘、私たち姉妹はおばあちゃんに育てられました。 次男は多額の借金の取立てにより、数年間蒸発し、 家にあまり帰ってきませんでした。 家に次男がいると暴れて暴力を振るってくるので、家に帰ってこなくていいのにといつも私たち姉妹は思っていました。 次男はおばあちゃんの年金をギャンブルに使っていたので(働きもせずに) 私たち姉妹は貧しい暮らしをしていました。 洋服は近所の人からのお下がりを着て、お風呂も毎日は入れず、姉はそれが原因で学校でいじめられていました。
次男はたまに帰ってくると、おばあちゃんにお金をせびり、酒を飲んでは暴力をふるい、 私はそんな生活が嫌でたまらず、高校3年間バイトをし100万貯金して、高3の夏に一人暮らしを始めました。 姉も社会人になったら、一人暮らしを始め、おばあちゃんと次男は二人で生活をしていました。 おばあちゃんは次男のために、ご飯を作ったりと尽くす毎日。 次男は金をせびり、暴力をふるう毎日。 私たち姉妹はそんなおばあちゃんをもう見たくなかったので、何度も引き取ろうとしましたが、 おばあちゃんは何をされようが、次男の事を愛していました。 次男のそばを離れたくない様子でした。
そんなおばあちゃんが、 今、もう小さくなって、意識も朦朧とし、 若い担当医から「もう何もしてあげられる事はありません」と さじを投げられましたが、
今まで、いろんな事に耐えてきて、 私たち姉妹を60歳過ぎてから育ててくれて、 毎日を貧乏ながらに(次男に金を吸い取られてたから) 一生懸命生きてきたから。 もう頑張らなくていいよという想いです。
でも、もっとたくさん私たち姉妹の顔を 見せてあげたいから、もう少しだけ生きていてね。
苦しむ姿はもう見たくないから、 延命治療はしません。 おばあちゃんに今まで育ててくれてありがとうと、伝えれずにいるけど 毎日がおばあちゃんに感謝です。
おばあちゃんのような忍耐力のある人になれるよう 頑張って結婚もして 強く生きていきたいです。
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