8月17日、この日は、ぼくのおじいちゃんの命日です。 ぼくのおじいちゃんは、5年前に死んでしまいました。 ぼくは、まだ5才だったので、あまりよくわからなかったけど、今では、おじいちゃんがいないことがとてもさみしいです。 ぼくは、おじいちゃんが大好きでした。 そして、この日になると、ぼくはいつも、お父さんとお母さんと一緒に墓そうじに行きます。 今年も、朝早くに、お父さんが、 『将、今日は、おじいちゃんの命日やで、墓そうじとおまいりに行こうさ。』 と言いました。 ぼくと、お父さんと、お母さんと、姉ちゃんの4人で行きました。 お墓は、あまりよごれていなかったけど、下の方は、かなり草がはえていました。 ぼく達は、4人で草をむしりはじめました。 ぼくが、少しむしった時には、おとうさんはかなりたくさんむしっていました。 また少しむしってから、次にお父さんを 見たときは、おとうさんは、もうとなりのお墓の近くまでむしっていました。 ぼくは、お父さんに、 『お父さん、そんなとなりのお墓のところまで、むしらなくてもいいが。』 と、言うと、お父さんは、 『いいんや、おとなりさんやし、おじいちゃんといっしょにこのお墓の人も、天国で仲よく大好きなお酒飲んでるかもしれんな。』と言いました。 僕は、なんだか、おじいちゃんのいつも楽しそうにお酒を飲んでる顔を思い出しました。 そして、お父さんもえらいなあと思いました。 となりの人は、ぼくのお父さんが草をむしってくれたなんてわからないかもしれないのに。 親切って、こんなふうにしてあげることもできるんだなぁ。 してあげたひと人には、だれにしてもらったかもわからない。 でも、その人には、とてもたすかる。 そして、よろこばれる。 でも、ぼくにはそんなお父さんが、とてもじまんです。 お墓がきれいになったので、お花をかざって、おせんこうをたて、四人でおまいりしました。 かえりに、おとうさんが、 『おっ、今年も出てきたぞ、かまきりが。いつも、お墓参りにくるとかまきりが一匹出てくるんや。』と言いました。 すると、お母さんが 『それきっと、おじいちゃんやわ、今年もありがとなぁって、出てきたんやよ。』 と、言いました。ぼくと、お姉ちゃんは、かまきりを見て、なんだかうれしくなりました。
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