人はどうして失った後に大切なモノに気付くのだろう。 今となったら《ごめんね》だけが頭を巡る。
頭の中が大切な人でいっぱいになっていたあの時、私は本当の大切なモノに気付かずにいた。…後悔に押し潰されそうになるとも知らずに。
夢中だった。大好きな人がいて、繋がりたい人がいて、私の見つめる先はいつもその人だけだった。周りが見えなくなる程に。 だから君の存在が消えた事にも気付かずに居た。
私が浮かれているうちに君はどんどん傷つけられて、罵声浴びせられて、暗やみの中彷徨ってたんだよね。そして全てに背中向けて歩きだした。 でも鈍い私がいたせいで助けることすら、かばうことすらできなかった。 何度か季節は巡って頭の中から君は消えていた。
そして今年の春、微かに見覚えのある姿に心臓が揺れた。消えかけていた本当の大切なモノに。本当に守らなきゃいけない大事なモノに。
でももう遅かった。 君は傷つけられて、色んなものと戦いながら、険しい道歩いてきて、誰にも負けないほどの力蓄えて戻ってきた。
どんなに苦しかっただろう。どんなに辛い思いしただろう。私が笑っていた頃、でかいものと戦って、その事すら誰にも言えなくて。
それ故に届かなくなった。私の周りに壁ができた。自分が恥ずかしくて、情けなくて、謝ることしか出来ない自分にまた腹が立った。 なんにもできない自分。 今更になって気付く自分。全てが嫌になった。 ちっぽけだった。
そして苦しくなって、助け求めてた…1番辛いのは君なのに。
ごめんね ごめんね
今度は私が守る。 もう君が塞ぎ込まなくてもいいように、暗やみの中彷徨わないように。
…でももう、僕なんて必要ないかな??
大好き。大好き。大好き。
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