私は大きな病院の脳外科に3年通っています。
完治は正直厳しい病気で、上手く付き合いながら生きていこう・・・最近はそう思っています 生死には関わらないけれど、生き地獄のような病気・・・ 治って欲しいけれど、治療方法はないのです
昨日はそのいつもの病院に行ってきました
診察の予約は入れていなかったけれど、手術で脳外科に入院している時に、にお世話になった友達が、今も入院しているから・・・ 同い年(29歳)で既婚、かわいい娘さんがいるママさんです
彼女との出会いはその病院でだったけれど、私が自宅療養で病院を離れている時もよく電話やメールをくれていた、親しみやすい人です
とっても気配りやさんで、同室の人をいつも励まし続けた彼女
大好きな旦那さんや娘さんにも、いつも「ありがとう」を欠かさない彼女
どんなに辛い時でも、周りの人を気遣う、強くて暖かい彼女
いつも笑顔で迎えてくれて、いつでも私を励ましてくれる彼女
でも・・・
会う度に、確実に病気が進行していくのがわかります
3ヶ月前には伝い歩きだった彼女は、今は車椅子を使用しています 自力排泄が困難で、おむつを使っています 片目は失明し、もう片方も視野が狭くなっています 文字を書くこと、話しをすることは厳しく、意思の疎通がもうできません メールも電話も、自力ではもうできません 今は「赤ちゃんにかえっている」そんな感じです
いつも意思の疎通はできないけれど、たとえ一方通行の会話になっても、彼女が喜んでくれているのかわからないけれど、毎週彼女の元を訪ねて、一緒に過ごしています
ここ三週間、私も体調が悪くて毎週恒例だったお見舞いに行くことができませんでした
正直私の訪問を喜んでくれているのか、邪魔だなあって思ってるのか、本当にわからない状態でした
でも
三日前に彼女から電話がありました きっと看護婦さんが携帯電話を代理で掛けてくれ、耳元に受話器を当ててもらって話をしているんだろうなあっていう様子が、周りの話ぶりからわかりました
「待ってるんだから早く来てね」
聞き取れたのはその部分だけでした
すっごく嬉しかったし、すぐにでも行って話を聞きたかったけれど、私も病人。。。時間がかかりました
昨日やっと病院に会いにいけて、彼女の顔を見てホッとしました
涙を浮かべて一生懸命話をしてくれている彼女をみて、私は必死に涙をこらえました
リハビリにお付き合いして(車椅子への移動とか物を握る訓練) お風呂の準備(お洋服とか洗面器とか) 髪の毛(かつらですが、すっごくかわいいです)を整えて、ベッド周りを整えて、麻痺している両手の爪を切って、お茶を飲んで
「家族に迷惑がかかるから外泊ができない」という彼女の言葉 聞き取れないけれど、単語をつなげて想像すると、きっとそういう意味でした
私は「じゃあ娘さんと一緒に寝るのは退院するまでのお楽しみだね!」と笑って話をしました
彼女は私に心配をさせまいとしているのか、記憶が混乱しているのか、なにが現実だかわからなくなっているのか
看護婦さんに聞いたら、家族はもうずっとお見舞いに来ていないらしい
それでも「もうすぐ旦那がくるから洗濯物も持ってきてくれる」「娘がきて一緒にゴハンを食べた」と私に単語単語で話をしてくれた それはもう3ヶ月も前のこと
・・・そうだったんだ・・・
だから洗濯していないパジャマや下着しかなかったんだ バスタオルもタオルも、一枚もないんだ いつも同じパジャマによだれかけを付けていたんだ
あと何回こうして手を握って、話をして、私に電話をくれるだろう・・・
友達として、一体何が出来るだろうとそればかり考えて、昨日は泣いて泣いて眠れませんでした
「脳腫瘍ってすごく怖い病気だから、ちゅろんも何かあったらちゃんと検査したほうがいいからね」 出逢って初めてお茶をしたときに、真剣な眼差しで私に言ってくれた彼女
優しくて強くて頑張り屋さんの彼女
もし神様がいるのなら
どうかご家族に理解してもらえ、家族から愛されているのだという実感を与えてあげてください
決して一人じゃないと思わせてあげてください
彼女の気持ちや体を全く無視した、旦那さんが勝手に作ったあのかっこいいらせん階段付きの段差だらけの新居を、バリアフリーのお家に変身させてください
そして彼女を居場所を作ってあげてください
そして
私は治療法方がなくても、自力で頑張るから 理解して協力してくれる家族がいるから、治らなくてもいいです
だからその分
彼女を助けて下さい
病気が治らないのなら
せめて
愛情をたくさん注いでくれる家族のもとで過ごさせてあげてください
友達として、何ができるのか
教えてください
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