400万人が待ってるよ♪

彼女は子宮ガンだった。
まだ27才と若かった為すぐに手術となり、全摘出した。手術は無事成功し、幸い他に転移も認められなかった為、しばらく入院した後退院した。
退院したものの、あまり元気が無かったが、「子宮が無くなったんだから、ショックなのは仕方がない。俺が支えていかなきゃ。」て、思った。

その頃の俺は、趣味のクルマに金を注ぎ込みすぎて金欠で、昼の仕事の後に夜もアルバイトをしていた。休みの前日は、アルバイトの後に、彼女のアパートに行くのが習慣になっていた。
12月の休みの前日、いつものように彼女の部屋へ行った。いつもは起きて待っていてくれるのだが、その日はコタツに入ったまま、俯せに寝ていた。日記を書いていた途中らしく、開いたまま寝ていた。閉じてあげようとした時、読むつもりは無かったのだが、「ゆるして」の言葉が目に入った。「!?」と思い、罪悪感を感じながらも読んでしまった。
「ゆるして、ゆるして」とばかり書いてあった。とても気になり、遡って読んでみた。すると、退院後まもなく書いたであろうページを見て、俺は身動きが出来なくなった。
「男の子かな?女の子かな?一人かな二人かな?あなた(達)を産んであげられなくてゴメンね。お母さん、あなた(達)を殺して自分が助かっちゃった。ゆるしてね。本当にゆるしてね。」と、書いてあった。俺は泣いた。彼女を起こしてはマズイと思い。クルマに戻って号泣した。そして「俺だけでも、ずっと一緒に居よう」と、心に誓った。

しかしその後、彼女は鬱病になってしまった。二人で居る時は落ち着いていたものの、一人になると日常生活もままならない程になっていった。
そして…彼女は自殺してしまった。俺と未来の子供達に、「ゴメンね、ゆるしてね。」とゆう遺書を残して。

それから、もうすぐ八年になる。今でも思い出すたびに、あまりにも無力で頼りなかった自分が情けなく、そして悲しくなる。

彼女は今、天国で子供(達)と幸せに暮らしているだろうか…。


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