400万人が待ってるよ♪

一緒に泣いて
一緒に笑って

喧嘩もたくさんしたね。
デートもいろんなトコ
いったね。手繋いで。

この手は一生離さん。
いつかのクリスマス
の時ゆったよな。

今もちゃんと握っとるよ。白くて冷たいのは何で?

…………………


いつも通りの生活。
俺が仕事から帰ると
おまえはいつも
部屋でテレビ
を見ている。

お帰り!疲れた?
いつも通りの会話。

明日病院いこっかな。
ふいに彼女は呟いた。

どっか悪いん?
俺は心配そうに言う。

いや,さっきTVでね
乳ガンの話し聞いて
心配になった!


俺は笑いながら
おまえのちっさい乳が
ガンになるかや!
ガンはでっかい人だけ
かかるんや!!

俺は冗談を飛ばした。

彼女は安心したのか
胸を抑えながら
ちっちゃくても
得することあるんや!

笑い声が部屋中に
こだました。

あれから1年たち
俺は真剣に結婚を
考えていた。

ある日,仕事とおえ
家に帰ると,
彼女は元気がなかった。

どうしたん?
と聞くと
お腹が痛い。
と胸を抑えて言った。

体の弱い彼女は
こうゆう事は
幾度もあった。

だがその時は
いつもと雰囲気が違う。

何かを察した俺は
次の日俺は彼女を
連れて病院に行った。

検診が終わり
病室からは彼女ではなく
医者の先生がでてきた。

先生の顔つきが変だ。
俺は覚悟を決めた。

どうしたんですか?
彼女は………

落ちついて聞いて
ください。

彼女は乳癌です。
検査の結果…
悪性腫瘍と判明しました。今詳しく検査してます。

悪性……?
俺は何も解らないが
一瞬にして
ヤバイとゆう感情に
全身が犯された。


病室の時計の針が
コツコツと時間を刻む

診断の結果を
涙ぐむ彼女の父から
聞いた。


悪性腫瘍が全身に
転移し,もうどうしようもない状況らしい。

時間だけが進む。


綺麗な桜が街を染める
そんな春に
彼女は静かに
目を閉じた。

いつも隣で寝てる時
と同じように

ホントは苦しいはず
多量の薬で
体中痛いはずだよ


泣き崩れる彼女の
両親の中
俺は彼女の手をとり

お疲れ様
疲れたろ?
ゆっくり休みな。

とささやく。

この手は絶対離さない
安心しておやすみ。

俺は渡そうと思っていた結婚指輪を彼女の薬指にはめた。

一人になると
後悔の念が
俺を襲う。
あの時病院に行かせ
とけば………

彼女は俺の冗談を
信じて
胸に違和感があったのを隠していたのかもしれない。
彼女の最後に発した
言葉は

もし私が死んだら
50年後か
60年後
あんた…死ぬまで
ずっと待ってる。


俺はなんて幸せな男
なんだ。
俺はただ手を握りしめることしかできないのに。

手……あったかいね。

いつも笑顔で
愛してくれた。

俺は仕事の時も
TVみてる時も
買い物してる時も
寝てる時も
俺の隣には君がいて
俺はずっと手を
繋いでいるよ。


彼女の名前はさくら

偶然かも知れないが
さくらは
この季節を選んだのかもしれない。
さくらは桜の花になって
満開の笑顔で
俺を照らしてくれる。


毎年綺麗に咲き誇る
桜はさくらのように
みんなを幸せに
してるよ。


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