400万人が待ってるよ♪

私には付き合い始めてもうすぐ一年になる彼がいます。
その彼が私に嘘をついていました・・・

私がどんなにワガママを言っても、仕事(看護師をしています)がエラくて八つ当たりしても、怒らずにいつだって笑顔で許してくれた。
そんな彼が厳しく注意するたった一つの事が「嘘」をつく事でした。
『嘘は絶対につくな! 信頼しあってなきゃ愛し合う事なんて無理だろ?  好きな相手を騙すような事だけはしちゃダメだろ!?』って言う彼に 「だってホントの事言ったら怒るでしょ!?」なんて最低な逆ギレをしてしまう私・・

今まで何度も嘘をついて、何度もケンカして、その度に最後は許してくれた…
『オマエが何でも正直に話せる空気をつくってなかった俺がダメだな』って笑いながら・・・

ケンカになるのは私が嘘をついた時だけ。 それ意外はどんなに私が悪くても、責める事も咎める事もしなかった。
そんな彼が私に嘘をついていた・・


彼は肺癌だった・・・


最近確かに彼の様子はおかしかった。
私たちは付き合い始めて1日も欠かす事なく会っていた。 彼は風邪で40度以上熱があった時も、おたふく風邪にかかった時も会いにきてくれた。 なのに最近『今日は用事があるから』とか『仕事が終わらないから』とか1週間の半分は会わなくなっていた。
それまで毎日会っていた事もあってなかなか一人の時間がなく、会わない日は内心嬉しかったりもした。

1日中咳もしていた。 
『季節の変わり目は喘息が出る』って言いながら・・

嘘がわかったのは先週の日曜日。 彼の車でいつものようにデートに行った時でした。
途中コンビニにより、彼が飲み物を買いに行ってる間に化粧を直そうと後部座席においてあったバックをとろうとした時、病院名の入った大きな封筒を見つけた。 「何だろう?」 と中を見て彼が病気だと知った。
仕事柄、その紙に書いてある内容は容易に理解できた。 と同時に、今後の診療方針やオペの同意書が入っていない事が何を意味しているかも・・・

末期の肺癌・・・

目の前が真っ暗になった…
彼にバレないよう封筒を元あった場所に戻し、レジで袋を受け取る彼を助手席に座ったまま見つめていた‥頭の中は封筒の中身を見てしまった事を悟られないよう平然を装う事だけを考えながら・・・

私に飲み物を手渡しながら『昼何たべる?』って笑顔で聞く彼の目を見ていられず視線を外す私に、『どっか調子悪いの?』って・・
肺癌がどういう病気かはもちろん習った。 肺癌の患者さんも何人も見てきた。 その最期も・・・

横になっているだけでも苦しいはずなのに、何でそんなに笑っていられるの??本当なら自分の事でいっぱいいっぱいでデートなんて気分じゃないはずなのに・・・ 何でそんな時まで私の事ばかり気にしてくれるの・・・


《喜びは倍に、悲しみは半分に》って約束したのに…

彼は私にたくさん喜びをくれた。
一度結婚に失敗した私が今笑顔でいられるのは間違いなく彼のおかげです。
殴られて、浮気されて心も体もぼろぼろだった私に、「私も幸せになっていいんだ! 幸せになれるんだ!!」って思わせてくれた人。
いっぱい愛してくれて、いろんな所につれて行ってくれて・・・
いっぱい喜びをくれた。

私の喜びは何倍にもしてくれた。
私の悲しみはなくしてくれた・・・


私はアナタの喜びを倍にしてないよね?
アナタの辛い事を半分にできてないよね??

悲しみを半分にするどころか、私のせいで辛い事や悲しい事が何倍にもなっちゃったよね・・


看護師のくせにアナタの病気にさえ気付かない私ってホント駄目だよね・・

毎日一緒にいたのに・・・

でも、隠さずに話してほしかったよ、病気の事。

看護師としては失格でも、短気でワガママでケンカすると心にも無いこと言ってアナタを傷つけても・・・
ホントに本気で心から愛しているんだよ。


私がちょっと目にゴミが入っただけで慌てて薬局に目薬を買いに行ってくれた。私が靴ズレになっただけで大騒ぎで薬局に絆創膏を買いに行ってくれた。

自分がそんな重い病気にかかってるのに、痛いとも辛いとも一切口にしないで…


おかしいよ・・・・・



ちゃんと強くなるから!

心から信頼できる女になるから・・


だからまーちゃんの口から正直に話して!


それまでは私も最後の嘘をつきとおすからね。



病気の事を知ってる事を・・・


泣けたらクリック