もう、5年も前になるけれど、ばぁちゃんが死んだ。
ばぁちゃんが体調を崩して入院したのは、私が高校に入学する前の春休みだった。
診断名は【大腸癌】
手術をする予定だったし、その時は「治って元気になる」って思い込んでた。だから、春休みだった私が共働きの両親の変わりに病院に寝泊まりして付き添った。
手術も無事終わったし、状態も落ち着いて、私も高校に入学して寮に入ったから、次に会ったのは、高1のゴールデンウィーク。 まだ、入院してたケド、春休みの頃ょり元気そうに見えた。
だけど、その次に会ったときは、もう意識がなかった……
夏休みに入る高1の終業式に学校に「ばぁちゃんの容態が良くない」と親から電話が入った。ゴールデンウィークの元気なイメージしかなかったから【風邪引いたのかな?】くらいにしか考えてなかったから、実際に会ったときは、何も言葉が出ない。
意識なく寝ているばぁちゃん… そのベッドの周りで泣いてる親戚… 「母ちゃん、みすずが帰ってきたから、目を開けてみて」と話しかける母親…… 点滴や心電図モニター、血圧計が体に付いてる… 「……ばぁちゃん…」自然に声が震える私……
その日の朝から意識がなくなったらしい。前の日は、ご飯も食べたし、みかんも食べたいって言って、いつものばぁちゃんだったらしい。
私が駆けつけて何時間かして心電図モニターから規則的な機械音も聞こえてこなくなり、不整脈も出だした。 それでも、それから状態は悪くなる事はなかったから【1晩は持ちこたえるだろう】とみんなが思ってた。
夜中12時をすぎ翌朝4時に血圧は測れなくなり呼吸も止まった……
ただ泣く事しか出来なかった… 看護師さんにキレイにしてもらい、あっという間に通夜で曾ばぁちゃんも来た。認知症があったのに、ばぁちゃんの傍に寄り「せっちゃん…お母さんが変わってあげられたらねぇ……せっちゃん……目を開けて……」と泣きながら話しかけてた。 余計に涙が溢れた。
小さい頃から遊んでくれた大好きなばぁちゃんだったから、死んだって事が実感わかなくて……でも……もう、触れないし話せないし……
でも、後から聞いた話しだが、大腸癌から肝臓に転移していてばぁちゃんが死ぬ前日に親へ医者から「長くて余命1ヶ月」と説明があったらしい。
それを思うとあと1ヶ月苦しむより楽になれたし、それまで頑張ったんだからよかったのかもしれない。
ばあちゃんが死んだからと言ってこれまでの思い出が消える訳でもない。
きっと自分が【お母さん】の立場になった頃、ばぁちゃんとの思い出話しをたくさん聞かせてあげたいと思う。
長文すみません
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