私には大切な大好きな彼氏がいました。
彼とは中学1年生の頃から付き合っていて､毎日幸せな生活を送っていました｡

ですが年頃の私は思春期だったので､｢もっと沢山の人と恋をしたい｣と言い付き合い始めて1年程で彼を振ってしまいました｡

彼は泣きながら｢離れたくない｣と言いましたが､ﾊﾞｶだった私は突き放すかの様に彼から去って行きました｡

それからは異性と遊んだり､好き勝手なことばかりし､しばらくして遊びだった異性とも連絡をとらなくなり､突然寂しくなった私は彼に｢久しぶり｡急に会いたくなった｣と､ﾒｰﾙをしました。自分勝手なのはわかってました。

ですがその時は自分の事しか考えていませんでした｡

すると､彼からすぐに｢久しぶり｡会いに行くよ!今どこにいるの?｣と返事が来ました｡私は"単純な奴だな"としか思いませんでした｡

寂しさを紛らわすために､また彼と付き合うことになりました｡

自分で言うのもなんですが､彼はおかしいくらい私の事を大切にしてくれ､相談も愚痴も､わがままも全て聞いてくれる人でした｡
送り迎えも必ずしてくれて､私が家出をした時も一晩中探し回ってくれました｡
浮気もしない､その完璧さが私にはつまらなく感じ､そんな中､私は彼の親友を好きになってしまいました｡

いや､好きになったのではなく彼との付き合いに飽きたので､身近にいた彼の友達に目をつけたのです｡彼にはまた｢好きな人ができたから別れよう｣と言い､離れました｡さすがに自分でも｢いいのかな｣と思いましたが､また付き合いたくなったら付き合ってくれるだろう…と甘い気持ちで､彼の気持ちも無視し､彼の親友と付き合い始めました｡そのせいで､私は彼の友情もぶち壊してしまいました｡

それからその親友とはうまくいくこともなく､1ヶ月程で別れてしまいました｡

色々なことがあり､私もようやく｢彼しかいないのかな｣と気付き､また彼に連絡をしました｡

さすがに彼も私に呆れているだろうな…と思いましたが､冗談っぽく｢戻ってくると思ったよ｡やっぱお前には俺しかいないんだよな｣と抱きしめてくれました｡

私は泣きながら彼に今までのことを全て謝りました｡
彼は｢過去はどうにもならない｡お前が本当に俺を必要としてるなら､また一からやり直そう｡俺はずっと待ってたんだから｣と笑顔で言ってくれました｡

それから､私はもう彼しか愛せない｡と思うようになりました｡気がついたら､彼と初めて付き合ってから5年が経っていました｡

これからは本気の､本当の恋ができると思ってました｡彼に辛い想いをさせた分､幸せにしてあげよう…と思っていました｡


神様は意地悪です｡
私の大切な､大切な宝物を奪いました｡あっという間に｡まだまだ伝えなきゃいけないことが山ほどあったのに｡
私の過去の行いが悪かったからですか？だとしても､どうしてあんなに素晴らしい人を消してしまうのですか？なんで私じゃないのですか？また明日ねって､映画にも遊園地にも買い物にも行こうねと約束したのに｡笑顔でﾊﾞｲﾊﾞｲしたのに｡


彼は私を家まで送った帰り道に事故にあい､懸命な治療も虚しくこの世を去っていきました｡事故原因は､野良犬が道路をゆっくり横断中に車が猛スピードで走っていき､その車を止めようと彼がとっさに車の前に出てしまい､ﾊﾞｲｸに乗っていた彼は車にはねられてしまったのです｡最後の最後まで自分より他の心配をし､何とも言えない彼らしい死に方だなと思った。
涙しかでなかった｡
私が電車で帰っていれば…もっと話をしていたら…｡私には後悔と彼との思い出だけが残った｡
それと同時に､彼は私にあまりにも多くの事を教えてくれた｡彼が亡くなって3年が経つ今､私はようやく少しづつ立ち直ることができ､彼の分も一生懸命まともに生きていこうと思う｡

もちろん､それから一度も恋をしていない｡きっと彼以上の人が見つかるまで､私は恋をしないだろう｡けれど､彼以上の人はこの先も､見つからないだろう｡

貴方は一生､私の心の中に生き続けてるから｡

本当にありがとう｡
そしてごめんなさい｡
この気持ちは､あなたに届いていますか？