今更「ごめんなさい」なんて、言えないけど、本当にそういいたい。 私はあの日、母に凄いことを言ってしまった。勉強の事でうるさい母は、私の中間テストの結果で言った。167人中15番の結果を見て。 私は悪くは無いと思う。 母は、「もう少し頑張ってみて」 と、何気なく言ってくれたんだ。 今考えると、その時、「うん。頑張る」 その言葉がなぜいえなかったんだろう。と、いまでも悔やんでいる。あの日、とてもイライラしていた私は、母に 「そういうのウザイんだけど。頑張れ、頑張れ、とか口先だけじゃん。100回ぐらい聞いたし。」 と言ってしまった。その時見せた母の顔は、忘れられない。母は、何も言わず、部屋に戻った。私も、自分の部屋に戻った。 母の部屋の一つ奥にあるので、母の部屋の前を通ることになる。少しずつ近づいていき、母の部屋の前を通るその時、 母の小高い声が、ドア越しに聞こえた。耳をすましてみると、母は泣いていた。 私は、パニックになり、どうして良いのか分からなかった。その日は、そのまま部屋に戻り、私は寝た。 朝、母に謝ろうと思い、部屋にいった。母の姿が無い。買い物かな。と思い、帰りを待つことにした。 その時、電話が鳴った。私は、友達かな?と思い、電話に出た。すると父が、「母さんが死んだ」 やつれた声だった。私は、何も言う事が出来なかった。 後から聞く話によると、母は、私に「頑張れ」って言わなくて良いように、学業祈願 のお守りを買いに行った途中、トラックにひかれたそうだ。母の手の中には、 私の好きな赤の色のお守りが握ってあった。 私は、それを聞いたとき、涙が止まらなかった。声をだしてまで泣いてしまった。 そして、ごめんなさいと何回も何回も言った。 今でも、テスト期間になると胸が苦しくなる。ゴメンね。私頑張るから。心でそういった。最後に言わせて。 ごめんなさい。 ありがとうございました。
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