400万人が待ってるよ♪

あれは 今から 五年前。

社会人になって 何年か経ち 仕事も順調。
友達に紹介してもらった 同い年の祐と出会ってからは 毎日が幸せだった。
何もかも充実していた。
仕事が終わったら メールに電話。
休みの前日には私の家にお泊まり。
祐はとっても優しくて 私の支えだった。
職場での愚痴も 嫌な顔せずいつも聞いてくれた。
飼っていた猫が 死んだ時も車でアパートまで駆け付けてくれて 一晩中私の側にいてくれた。

付合って一年経ったある日 私は生理が来ない事に気が付き 薬局で妊娠を鑑定するヤツを買って検査をしたら 妊娠していた。
それを祐に知らせたら とても喜んでくれて プロポーズされた。
お互いの親には挨拶は済んでいたから 妊娠と結婚の報告をした。
妊娠の安定期を過ぎてから式を挙げる事にした。
先に入籍だけをして私と祐は それから式場を探したり 案内状を作成したりと バタバタしていた。

二人で住む 新居(賃貸マンション)も借りて 結婚式を翌日に控えた夜。
私は実家で 独身最後の夜を過ごす事にして 私と祐は式場で待ち合わせを約束した。
結婚式当日。
私は少し早めに式場に着き 式場の回りを散歩していた。
ちょうど式場を一周した時 道路を挟んだ反対側から祐が私を呼んだ。
信号が青になり 祐が横断歩道を渡り始めた時だった。

……バ〜ンン!!

勢い良く走ってきた信号無視をした車に 祐が跳ね飛ばされた。
私は錯乱し 祐の元に駆け寄る。
車は止まりもせず 走り去った。
祐に駆け寄ると祐はまだ意識があり「●●…好きだ…愛している…俺……俺…」この後 祐は意識を失った。
私は救急車を呼び 祐と一緒に救急車に乗って 病院に行った。


だけど 祐は帰ってこなかった。
私は泣き崩れた。

昨日 一緒に過ごして一緒に家を出ていたら祐は死なずにすんだのに!

結婚式は取り止め。
お通夜に訪れた人達は 私を見て励ましてくれた。


最後に彼の顔を見た。
綺麗な表情をしていて 今にも目を覚ましそうで。
起き上がって キスをしてきそうで。
私は 失ったモノが多き過ぎて 祐の頬を撫でながら大きな声で泣き叫んだ。

もう 祐に逢えない。
あの 優しい声も聞けない。
可愛い寝顔も見れない。



それから私は 体調を崩すしながらも無事に男の子を出産。
祐にそっくりな男の子。
名前に祐をつけた。
祐司と。

それから再婚もせず 仕事と子育て頑張ってます。
祐のご両親に助けてもらいながら。

ねぇ?祐?見てる?
祐司はもう五歳だよ?
祐に似てきてるよ?
綺麗な瞳。少し潰れた鼻…。
くせっ気な髪質。
優しい性格。
全部が全部 祐にそっくりだよ?
今なんて「俺はママと結婚するんだ!パパの分も俺がママを幸せにするんだ!」と 祐みたいな事を言っています。
祐?
私はず〜っと 祐を愛し続けるよ。
だから いつまでも見守っててね?
そして 私がいつか祐の側に行けたら出来なかった結婚式しようね?
約束だよ?


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