私には5歳離れた弟がいました。
私が小学校の頃。 あまり裕福ではない家庭で両親共働きでした。 母親は水商売をしていました。 そのため私と弟は近くの祖母達の家に預けられました。 電車が大好きな弟とはよく近くの線路に電車を見に行きました。
いつもと変わらない夜。 ふと寝室に目を向ければ祖父と寝ているはずの弟がいません。
小さいながらに私は何かを感じたのでしょうね。
いつも弟と行っていた線路へと走りました。
見えるのは多くの人だかりと止まる電車。 涙が止まらなかった。 12月の寒空の下、一人横たわる弟の姿。 どうする事も出来なかった。
そして運ばれた病院で亡くなりました。 外傷もほとんど無くとても綺麗な顔でした。
享年二歳。 幸せだった? 一人で逝かせてごめんね。 何年も経つのにたかちゃんと居た日々が鮮明に浮かび上がるよ。 初めてねぇねぇって呼んでくれた事。 初めて二人で手を繋いで買い物に行った事。 だけど思い出せば思い出す程、たかちゃんが居ないって事が悲しくなる。
ねぇたかちゃん。 たかちゃんに弟が出来たよ。 もう四歳になる。 たかちゃんよりお兄さんな弟だけど、どうか見守ってあげてね。
姉ちゃんがそっちに逝ったら、また昔見たく大好きな電車一緒に見ようね。 いっぱいいっぱい遊ぼうね。
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