私が小学生の頃、30数年前の話になりますが・・・ その頃の日本は高度成長期、真っ只中でした。 と言っても、世間はまだまだ裕福とは言えず、物が溢れてる現代とは違い貧しさが残る、そんな時代でした。 学校も軍国主義とまでは、いきませんが体罰など当たり前の時代。廊下に立たされたりビンタは当たり前でした。 私はいつも近所に住む、新チャンとよく遊んでました。 新チャンは五人兄弟の長男で・・・ 新チャンの父親は遊び人で、母親の内職で生計を建てていて、とても貧しかった。 そんな中か育つ新チャンは家族想いの心の優しい子でした。 勉強は、言うまでもなく二人とも・・・ 新チャンが遊びに来ると母はオヤツに、焼き芋やトウモロコシを出す。 何故なら・・・新チャンはいつも食べずに持ち帰るからだ。母はいつも多めに作る。 そんな新チャンがある日を境に学校へ来なくなる。理由は担任(学校教育)にあった。 算数には定規やコンパスが必要になり、音楽には笛、全ての科目にノートや鉛筆など、いろいろお金が掛かり出す。 忘れたり持ってなければ罰が与えられる。 新チャンは、母親に言えなかった。・・・と言うより、欲しくなかったのだろう。と今そう思う。 そんな新チャンは、大工になり図面に定規やコンパスを当てる。一緒に酒を飲むと必ず言う。「学校行きたかったな〜」(涙)
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