400万人が待ってるよ♪

パパ・・・パパ・・・
暖かな春風が、庭先の子供の声を乗せてくる。
早く来て、早く・・・
子供達が示す指の先には紫陽花の葉に止まるカタツムリ。
物珍しさと、少しの恐怖感からか、目を離せずにいる。怖くないから触ってごらん?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2人は少し手を伸ばしかけ動きを止める
パパ触ってよ。ッと4才の長女が切り返す。
すると、あゆみを止めていたカタツムリが、ゆっくりゆっくり動き出す。その光景に長女は、ビクッと後退り。・・・逆に3才の次女は興味をしめし、いきなりギュッと一掴み。次女は握り締めた手を得意気に長女に突き出す。慌てた長女は、俺の後ろに身を隠す。
こんな、何でもない風景が、とても新鮮で・・・
小さな生命に、過去の自分をキレイに洗い流してくれる気がした。
サクラの終わった並木道を家族揃って散歩する。2人が取り合う俺の左手は、人より短い指がある。若気の至りの代償は、子供の手前、ネズミの餌に・・・こんな言い訳、いつまで通るのかな?
サクラ並木の隙間から差し込む陽の下に、家族の笑顔を見た。
ここ最近、見てなかった妻の笑顔も・・・
パパの指は、ママが食べた。なんて、そんなジョーク絶対、言えないね。
少し変わった左手を、いつまで2人は取り合ってくれるのかな?


泣けたらクリック